ボツ小説

小説

なろう系小説を書いてみようと思った

転生小説風音楽紹介記事を書いてみて、結局めんどくさくなって辞めたけど、これ、普通の所謂テンプレ異世界転生小説なら書けんじゃね?と思ってしまった。

でも普通のテンプレ異世界転生ものはなろうに溢れているので、ちょっと捻ってこのサイトらしいものを書いてみようと思ったわけだ。

主人公の目的は「ファンタジー異世界にサブカルチャーを作り出す」という設定で書いてみようと…

まぁ結局、プロットも作らず途中まで書いて、めんどくさくなってボツにしたんだけどね。

それでも一応書いてみたから公開しようと思う

ボツ小説その1

異世界プロデュース!~娯楽のない世界にサブカルチャーを~

第一話 プロローグ

飽きた…。飽きてしまった…。

おれは所謂異世界転生者だ。日本でサラリーマンをしていたけどテンプレ通りにトラックにはねられ、テンプレ通りに気が付いたら中世ヨーロッパ風ファンタジー世界で赤ちゃんだった。しかもご丁寧にチート能力付きだ。

普通ならその後はテンプレ通りに異世界転生者主人公ムーブをぶいぶいかますところだが、おれは前世から持ち越した根っからの陰キャだ。一人でひっそりしているのが好きだ。というわけで、おれは15歳から20歳になる現在まで、誰にもチート転生者だとバレずにひっそりと普通のソロのC級冒険者として活動していたのだが…たった5年で冒険者生活に飽きてしまった…。

現在までの今世の人生をダイジェストで振り返ってみる。

―乳幼児時代―

まずこの世界で赤ちゃんになっているのに気づいてからだが、おれはすぐに『ステータスオープン』と念じてみた。結果は成功、自分のステータスが表示されていた。このとき、おれはここがゲーム寄りの世界でステータスやレベルのある世界だと思っていたのだが、実はこれがおれのチートだった。

チートスキル『RPGシステム』

様々な能力を内包したまさにチートと言うべきスキルだった。

能力その1、『レベルシステム』

 生物の命を奪うとその生物の魂の一部を吸収し蓄える。一定数の魂が集まるとレベルが上がり、蓄積した魂を自分の魔力と身体能力に変換して強化する。

能力その2、『インベントリ』

 もしくは『アイテムボックス』。異世界転生テンプレのアレ。容量無限、時間停止機能付き。おそらく自分が生物だと認識しているものは入れられない。(微生物などは多分入っているし、植物も入れた後に植えなおしたら育つ)

能力その3、『ステータス閲覧』

 所謂『鑑定』である。自分のステータスだけでなく、他の生物のステータスやアイテムの詳細も見ることができる。ただし、自分以外のステータスは残りの生命力と魔力が分かるのみ、アイテムはインベントリに入っているものに対してのみ有効。(ゲームでアイテムにカーソルを合わせると説明が表示されるアレ)

能力その4、『スキルツリー』

 レベルが上がるとスキルポイントが手に入り、スキルポイントを消費することで新たなスキルを習得することができる。ゲームのスキルツリーのように上位スキルを習得するには、その前に同じ系統の下位スキルを習得する必要がある。

以上の能力を持つチートスキルである。

とはいえ、赤ちゃんなので、何もできない。この時期はテンプレ転生者ムーブと同じように魔力を感知したり、魔力操作の練習をしたり、筋トレのように魔力消費からの超回復で最大MPを増やしたりして過ごした。スキルポイントを使用しなくても、習熟度がある程度を超えれば『魔力感知 Lv.1』や『魔力操作 Lv.1』のスキルを習得することが出来た。

ちなみに、おれの今世での名前はユリウス・リーベルト。リーベルト商会という中堅の商会を営むまぁまぁ裕福な商家の三男坊だった。長男の名前はヨハン。MONSTERかな?

―幼児時代―

幼児時代は虫を退治したり、家畜を絞めるのを手伝ったりして経験値を稼いだ。殺しが好きなサイコ野郎と思われないように注意する必要があり、あまりレベルを上げることはできなかった。

この世界についての知識も身につける必要があるので、家にある書物を読み漁った。実家はそこそこデカい商家なので、書物は図書室を作るほどあったので運が良かった。ただ、天才やら神童やらともてはやされないために、文字を習うのも常識的に5歳を過ぎてからにしたし、商売について現代知識チートでアドバイスやらアイデアを出すのもやらない。商会の跡継ぎにとか言われると面倒だし、スペアのスペアという自由な立場は死守だ。

書物で得た知識として、この世界は中世ヨーロッパ風ファンタジー世界、つまり、よくあるテンプレ通りの世界で確定だった。魔法あり、魔物あり、ダンジョンあり、冒険者ギルドあり、王侯貴族・平民などの身分制度あり、便利な生活用魔道具あり、科学知識なし、という世界だ。エルフやドワーフ、獣人などの人間以外の種族も存在し、一昔前までは奴隷制度もあり、エルフや獣人などは無理矢理奴隷にされることもあったらしい。現在はこの国では奴隷は違法となっているが、他国では合法な国もあるらしい。

魔王はいない。お伽噺として魔王と勇者の話はある。昔はいたのかも。

文明は数百年以上停滞している。これは地球でもあったように宗教組織が力を持ち、科学などの新しい概念は聖書に記されている記述と異なるということで、異端として弾圧しているのだと思う。多分。

ちなみに、神が存在するかどうかは分からない。転生したときも真っ白な場所で神様と邂逅なんてこともなかったし。こんなチートがあるってことは神様もいそうだけど。

幼児時代は基本的に書物を読んでいたことくらいしかない。基本陰キャだからな。

―少年時代―

10歳になると学園に入学した。異世界あるあるの貴族の子女がごっそり通う貴族学園的なものではなく、下級貴族の跡取り以外の次男三男や比較的裕福な平民が通う基礎的な教育を行う学園だ。まあ正直通う必要性を全く感じなかったけど、普通の裕福平民ムーブを貫くために渋々通った。成績は中の上をキープした。

この国にある教育機関は3種類。

まず、王都にある魔法や社交、専門知識を学び、将来の国の運営を担う人材を育てる貴族学園。

そしておれが通った学園のような基礎的な教育を行う学園。各領の領都に一つは存在し、成績上位の生徒は領内の文官や武官としてヘッドハンティングされることもある。

最後に各街に一つはある平民向けの学校。ここでは読み書きと計算のみが教えられる。まあ、通うにもお金がいるので、平民の識字率は3割ほどらしい。正確なデータは知らない。

学園以外では、スキルツリーで隠密系のスキルを重点的に習得して、夜な夜な街を抜け出して魔物を倒してレベル上げをしていた。

家族には学園卒業後に冒険者になることを告げて許可を得ている。自由な三男坊様様だ。学園は5年制なので、15歳から冒険者として生きていくことになる。

学園生活も気が合う人がおらず、人付き合いがほとんどなかったので、特筆することはない。基本陰キャだからな。

―冒険者時代―

15歳になり、学園を卒業すると冒険者ギルドで登録を行い冒険者となった。冒険者ランクはF級から始まりS級まである。というわけで、新人F級冒険者らしく、薬草採取や町中での雑用、雑魚魔物の討伐など、新人冒険者ムーブを楽しんでいた。F級からE級にランクが上がるのに合わせて家を出た。

ここまで

はい、プロローグの途中でやる気なくしました。

このあと、ステータスがチート過ぎて、どんな相手もワンパンのワンパンマン状態で冒険者生活に飽きてしまった→毎日退屈過ぎる→そうだ、サブカルチャーを作って流行らせて日本のように娯楽にまみれた生活をしよう!って展開を考えてたけど、なんでもかんでもチートでほいほいやってしまいそうで物語として全く面白くなりそうになかったのでボツにしました。

 

ボツ小説その2

異世界プロデュース!~サブカルチャーを作り出せ~

第一話 プロローグ

俺の名前はユリウス・リーベルト。リーベルト伯爵家の三男坊だ。

俺は所謂「異世界転生者」というヤツだ。

よくある物語の主人公だったなら

「ステータスオープン!チートスキル!」

「科学知識と魔法の融合で俺TUEEEE!」

「冒険者ギルド登録!Sランク冒険者!」

「マヨネーズ!オセロ!成り上がり!内政チート!」

「ケモ耳奴隷!美少女ハーレム!」

という感じで第二の人生を謳歌するんだろうけど…

「はぁ、退屈だ…。」

弱冠10歳にして毎日を惰性で過ごしている。

去年、俺は何の前兆もなく唐突に前世の記憶を思い出した。それまでの純粋な少年の人格は、前世のアラサー陰キャオタクの人格に塗りつぶされた。

前世を思い出してからについてだが、最初は俺も浮かれていた。何と言ってもこの世界は魔法があるファンタジー異世界なのだ。そりゃあ根っからのインドア陰キャオタクでも魔法が使えるとなったら目をキラキラ輝かせたさ。

家が伯爵家で金のある貴族という都合の良い環境だったので、家庭教師を雇い、毎日魔法の勉強・練習に励んでいた。それまでは典型的なボンボン馬鹿息子のように怠惰を貪り遊び惚けていたので、ついでに歴史や社会など、他の教科についても学び、この世界の常識を身に付けていった。

そして理解した。

この世界ではテンプレ異世界転生主人公ムーブは無理だと。

ステータスオープン?試しましたよ?記憶を取り戻した直後に。ええ、何も起こらなかったです。

科学知識?この世界は中世ヨーロッパというより、近世と近代の中間くらいの文明なので、俺のうろ覚え化学、物理学、数学レベルなんてとっくに発見されて研究されてます。

冒険者ギルド?一応「ハンターズギルド」っていうそれっぽいのはあるけど…この国では猟友会みたいなもんなんだよね…。この世界では圧倒的な個というのは存在しない。一騎当千の人間なんて存在しないし、めちゃくちゃ強い人でもせいぜい一騎当十くらいらしい。ドラゴンなんて火炎放射器が付いた恐竜って感じで、前世での「熊が出たー!」レベル。一般人1人なら確実に死ぬけど、ハンターが武器持って10人くらい居れば何とかなる。魔法もそんなに万能ではなく、武器として使っても威力はせいぜいライフルレベル。あたり一面焼き尽くす!なんて人間には不可能。まぁそういう威力を出せる兵器魔道具もあるらしいけど。

飯テロ?いや、普通にメシうめーし。

内政チート?無理無理。

ケモ耳?存在しない。

奴隷?違法。

美少女ハーレム?すまんな、この国、一応封建社会なのに一夫一妻制なんだ…。

という訳でテンプレ主人公ムーブなんて無理だった。儚い夢だった…。

俺は今日も退屈を満喫している。

今は地球に、日本に帰りたくて仕方がない。

家族や恋人、友達が恋しい…という訳ではない!

俺が恋しいのは!サブカルチャーだ!!

あの漫画の続きが読みたい!あの発売直前だったゲームがやりたい!!

ポップな音楽!ロックな音楽!ラノベ!アニメ!ドラマ!映画!TVショー!!

何よりもインターネット!!!

Web小説!二次創作!動画サイト!!

便所の落書き掲示板!!!

うぅ…。異世界なんてクソだ…。

この世界の娯楽は少ない。

音楽ジャンルの主流はクラシック。歌は聖歌隊のようなものと、吟遊詩人が奏でる物語にちょっと音程を入れてみましたーみたいなやつのみ。民謡なんかはあるかも。

別にクラシックも悪くはないよ。でも俺はポップスが好きだ!ロックが好きだ!何よりもカラオケが好きだ!前世では月に1、2回はヒトカラでストレス発散してたんや!歌いたいんや!

小説はまだマシで歴史や恋愛、お伽噺に推理小説など割とジャンルは多岐にわたっていて面白いものもある。ただし、絶対数が少ない。日本のように何回生まれ変わっても読み切れんわ!っていうほどの環境に比べれば少なすぎるし、エンタメとして見ると面白くないのが多い。漫画?ねーよ。

ゲームと呼ばれるものは将棋やチェス、双六みたいなボードゲームとトランプのようなカードゲームのみだ。いや、悪くはないよ。現代日本でも遊ばれてるし。やってみると案外楽しかったし。でもさ、すぐに飽きちゃった。

映画は写真があるからそのうち出来そう。だが、今はない。演劇は見たことがあり、演出に魔法を使ったりして結構凝っていたが、ハマるほど面白い訳でもなかった。オペラやバレエは高尚過ぎて前世から理解不能だ。

ラジオもない。雑誌や新聞はある。科学的か魔法的かは分からないが、写真の印刷技術もあるらしい。しかもカラーだ。すげー。ちなみに雑誌があるなら漫画みたいなものもあるんじゃね?と思うじゃん。でもな、写真が出てからすぐに画像の印刷技術が出来たらしいから、雑誌には写真ばかりが採用されてイラストレーターが育たなかった。いや、これからイラストも主流になるのかもしれないが。とにかくイラストは小説の挿絵くらいしかない。

インターネット?あるわけないじゃん。

という訳で、この世界は主人公ムーブも出来ないし、サブカルチャーもないしでとにかくクソだ。

まぁ、転生したということは、俺は既に死んでいたはずなので、第二の人生貰ってラッキーって思わなきゃな。既に惰性で日々を送っているが。

はぁ、どうせなら死ぬ前に前世で色々と本気でやってたら良かったな…。動画投稿したり、作曲したり、ゲーム作ったり、小説書いたり…。

前世ではブラック企業で鬱になり退社。その後は実家でダラダラすねかじりヒキニート生活だったからなぁ…。どうやって死んだかは覚えてないが、多分突然死でもしたのだろう…。

うん?

今なんか引っ掛かったような…。

えーと…

(動画投稿したり、作曲したり、ゲーム作ったり、小説書いたり…)

それだ!!この世界にサブカルチャーがないなら俺が作ればいいんだ!!!

毎日を惰性で過ごすくらいなら、この世界にサブカルチャーを作り出すことを目指すほうが面白いに決まってる!

やるでー!やったるでー!!

プロデューサーに俺はなる!!

 

第二話 サブタイトル未定

 

サブカルチャーを作り出すと決めたからには、目標を定めようと思う。

最終的な目標としては、インターネットを構築したいところだけど、流石に現状では無理ゲー過ぎる。コンピューターを作るというのがまず無理。ほんとすげーよな、現代文明…。

この国の現在の文明は近代に入ったばかりくらい。大体19世紀くらいのレベルかな?日本で言えば幕末から明治初期くらい。まぁ魔法や魔素とか魔物、動植物、鉱石とかこの世界ならではの要素があるので、地球と比べれば色々いびつな発展もあり、一概には言えないけど。ガチ中世じゃなくてほんと良かった。

地球でサブカルチャーが全盛、というかもはやメインカルチャーになったのは20世紀後半だから、文明を100年以上ぶっ飛ばさないといけないわけだ。うん、無理ゲー…。

やっぱり、サブカルチャーを発展させるのに一番良いのはテレビだよな。全国に一斉に情報を発信できて、視覚的にも情報共有することができるなんて!

この世界で生活してるといかにテレビやインターネットが素晴らしい発明だったかが実感できる。ラジオすらないからな。ラジオがあれば、ポップスやロックなんかの音楽の流行を作り出すことは出来たかもしれないのに…。そういえば蓄音機とかレコードとかはあるのかな?それすらない可能性もあるぞ…。先は長い。

将来的な目標としては第一にラジオ、第二にテレビ、最終的にインターネットの実現だな。

まぁ現時点で実現不可能なものは後回しだ。今の環境でも実現可能なものを考えよう。

まず、音楽。これは簡単だ。ポップスでもロックでも前世での名曲をパクれば良いからな。でもバンド形式の音楽は一般的じゃないから、バックバンドがオーケストラなんてことになるかも。しかも、レコードとかの媒体がなければライブのみの活動しかできないし、ウケたとしても局所的な流行にしかならないだろう。レコードがなければ開発、可能ならばラジオを発明してからが良いな…。

小説は既にあるからな、新しいジャンルの開拓くらいか。SFとかホラーとか…。自分で書くのもいいけど、面白い作品を書く作家にアイデアを提供するのが一番手っ取り早いな。

今の時点で新しいサブカルチャーを作り出すのに一番実現性が高いのは漫画だろう。ちなみに俺は前世で漫画家を目指す漫画を読んで影響を受け、学生時代に実際に漫画家を目指したこともあるので、一応漫画を描く技術はある。まぁすぐに諦めたんだけど。

あと実現可能なのは、テーブルトークRPGとか?でも俺はやったことないんだよなー。某遊戯漫画でやってたのを読んだくらいだしなー。遊戯漫画といえばトレーディングカードゲームもイケるな。意外とウケるかも。そうだ!某遊戯漫画のようなカードゲーム漫画を描いてみるか?そして漫画が流行ればカードゲームも商品化して一石二鳥でウハウハなんてことに…ドゥフフフ…。いやまて、漫画が世の中に受け入れられてからでないと両方こける可能性もあるから、まずは王道の物語で漫画を流行らせてからだ。

という訳で直近の目標は漫画を流行らせることだな。

とりあえず、漫画が受け入れられるか反応を調べるために、この世界の勇者と魔王のお伽噺を数ページだけ漫画化して、家庭教師のおっさんに見せてみた。

「どうだ?面白いだろう?」

「これが漫画というものですか…。ふむ、大変興味深いですが…その…変な…いえ、独特な絵ですな…。」

変な絵だと!!手塚神などトキワのレジェンド達をリスペクトした大変分かりやすいデフォルメ絵なのに。

「…これはデフォルメというやつだ。ある程度の特徴のみを捉えて簡略化したものだ。俺の絵が変なわけじゃないぞ。小説の挿絵のような精密な絵で漫画を描くとしたら時間がいくらあっても足らんからな。」

「…なるほど。ふむ…確かに小説のように文字だけで説明されるよりは、視覚的に理解できるので分かりやすいですね。空想上の世界などを表現するのに向いてそうですな。」

「そうだろう。そうだろう。うんうん。で、流行ると思うか?」

「ええ。絵本とは違う新しい書籍の形として話題になると思いますし、物語を読む媒体としても良くできています。この絵が受け入れられればですが…。」

やけに絵を引っ張るな。この国で絵画と言えば写実的なものだし、小説の挿絵なんかも綺麗だから違和感が大きいのかな。いや、19世紀のヨーロッパの画家に浮世絵が大ウケしてたじゃないか。ジャポニスムなんて言葉もあるくらいだからな。大丈夫だ。

「ま、まぁ絵が受け入れられなければ時間をかけるか、複数人で分担するなどして小説の挿絵レベルのものを描けばいいしな。」

俺だってそこそこ精密な漫画絵は描けるんだ!

「そうですな。しかし、ユリウス様。始めの頃に比べ、あまり魔法の学習に身が入っていなかったように見受けられましたが、このようなものを考えていたのですね…。」

バレテーラ。考えついたのはつい最近で、普通にモチベーションが下がっていただけなんだがな。ここは乗っかっとこう。

「…そ、そうだ。色々学んでいくうちに、どんなに魔法の練習をしてもお伽噺の勇者や賢者のようにはなれないと気付いてしまったからな…。所詮お伽噺はお伽噺だと…。だから賢者を目指すのは諦めて他に真剣に打ち込めるものを考えていたんだ。魔法の勉強はちゃんと続けるけどな。」

「そうでしたか、男なら誰もが通る道ですな。かくいう私も賢者に憧れて王都の魔法学園にまで行ってしまいました。まぁ魔法学園を卒業したことは大変有意義で後悔はしてませんが。それで、ユリウス様は将来、この漫画を描くことを生業とするということですか?」

このおっさん、ウチの寄子の男爵家の三男だか四男だかだったのだが、王都の魔法学園に特待生として入学してかなり上位の成績で卒業した割とすごい人なのだ。それはともかく俺がなりたいのは漫画家ではない。

「いや、俺がなるのはプロデューサーだ。」

「プロデューサー?それは一体なんでしょうか。」

「流行を作り出す人のことだ。漫画に限らず、小説、音楽、演劇、全く新しい何か。文化や娯楽に新しい流行を作り出すんだ。別に自分で新しいものを作り出さずとも、誰も読んだことのないような物語を書いている人、聞いたことのない音楽を奏でる人、見たことのない芸をする人。埋もれているだけで、存在するかもしれないだろう?そういった人を発掘して世の中に知らしめる。世の中の話題は俺の掌の上。面白いだろう?」

「な、なるほど…確かに、大変面白いと思います。この漫画というものも良くできていますし…。しかし、そう簡単に次々と新しいものを見つけることができるでしょうか…。」

「ふっふっふっふ。アイデアは既にたくさんあるんだ。アイデアだけ出して人に作らせることも出来るしな。」

なんといっても前世の記憶があるからな。アイデアの引き出しなら腐るほどある。

「…ふふ、それはそれは、将来が楽しみですな。老後はユリウス様が作り出した文化や娯楽を堪能することにしましょう。」

「ああ、楽しみにしておいてくれ。」

さて、漫画を流行らせるにはどうすればいいのか。流行を作るには世間に広く知られる必要があるのだが…。この世界の広告媒体には何があるのか。チラシに口コミ、広く知られるのは新聞や雑誌くらいかな。

うん?

そもそも雑誌にそのまま連載として載せて貰えばいいんじゃね?確か小説を連載している雑誌とかもあったはずだし。うん、イケるぞこれは。出版社に交渉だな。

ああ、実際に動く前に父親には報告しとかないとな。ウチは一応伯爵家だから、何か問題起こせば影響がデカい。俺が自分から何か行動を起こすなんて家庭教師を雇ったことくらいだし、三男なんでほぼ放任状態だったけど、出版社と交渉するとなったら報告は必要だろう。

ここまで

はい、第二話の途中でやる気なくしました。今回はチートなしでやろうと思ったのですが、チートなしならなしでものすごく厄介です。漫画作りだして流行らせてってなったら、それだけで10年以上かかるんじゃね?って思ってしまったんです。その後に、蓄音機やらレコードやらラジオで新ジャンルの音楽を…動画撮影機材やらテレビやらで映画、アニメを…最終的にインターネットをってなったら最終話の時点で主人公ジジイじゃんって思っちゃったんです。話づくりがうまい人なら、面白く料理して主人公が若いうちに完結までイケそうだけど、素人には無理です。まぁいずれはこの続きに挑戦したいですけど。

 

まとめ

小説書くのムズイ。めんどい。

でも、もっと挑戦してみる。

 

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